今回は「〜に対して、〜にとって」 をとりあげました。学習者はこの2つの語句の使い方をよく間違えます。どうしたら正しく使えるかを考えてみましょう。(例文を読んで正しい使い方を覚えて下さい)
1.〜に対して 接続:名詞+に対して
(例文)
・国民の多くは政治に対して不信感を抱いている。
・彼の言動に対して反感を持つ人が多い。
・ワンマン経営に対して従業員が抗議した。
・教育に対して熱意を持っているかどうかが問題だ。
・わが国は途上国に対して多額の支援をしている。
・田中さんはみどりさんに対して特に優しい。
・輸入品に対して関税が掛けられる。
・会社側に対して出された要求は全部拒否された。
・この賞は功績のあった人に対して贈られる。
・今年のボーナスは営業成績のよかったひとに対してだけ支給される。
*名詞を修飾するときは「〜に対する」「に対しての」という形になる。
・被害者に対する補償を考えるべきだ。
・彼に対する尊敬の気持ちが裏切られた。
・彼に対しての私の気持ちはべつに特別なものではない。
・親の子供に対する愛は永遠だ。
・地震に対する備えを万全にしよう。
★ 対象に対して強く働きかける 愛する、尊敬する、蹴る、殴る、触る、誉める、叱る などの動詞にはつながらないことが多いです。
○ 彼は文句を言う友達を殴った。
×彼は文句を言う友達に対して殴った。
○夫は妻を愛していた。
×夫は妻に対して愛していた。
○ 夫は妻の髪に触れた。
×夫は妻の髪に対して触れた。
○生徒に日本語を教える。
×生徒に対して日本語を教える。
2.〜にとって 接続:名詞+にとって
「〜にとって」は〜の立場で考えるという意味で、述部に価値判断を表す形容詞、名詞が続きます。
(例文)