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つい うっかり おもわず

今月は「つい」「うっかり」「おもわず」という類義語を取り上げました。

それぞれのニュアンスは少しずつ違います。ですから、ある文では置き換えて使えても
他の文では置き換えて使う事ができないという事があります。

和英辞典を見ると「つい」は「 carelessly ,by mistake,unintentionally and
involuntarily」つまり「不注意とか間違ってとか意図しないで」と説明されています。
「うっかり」も「carelessly, by mistake and absent-mindedly」つまり「不注意、間違い
気をつけないで」というように似通った意味が書いてありますので学習者が迷う所です。

さて、私達は行為者の不注意や間違いで何かしてしまった時「うっかり」を
使う事が多いです。 だから、この行為はどちらかというと偶然に起きた感じですし、
繰り返す事はあまりありません。
* 文例
(1)さいふを うっかり 落としてしまった。
(2)各駅停車に 乗らなければいけないのに うっかり 急行に乗ってしまった。

「うっかり」は副詞ですが、動詞「うっかりする」の形もあります。
*例
(3)うっかりして大変な間違いをしてしまった。
*実は よく間違えたり失敗する人を「うっかり者」と
よぶんですよ。下の絵の人はほんとにうっかり者ですね。

「つい」は副詞として使われます。
私達が「つい」を使う時、その時の行動はどちらかというと習慣的な本能的な不注意や間違い
である事が多いです:言い換えるとある状況のもとでは知らず知らずにある行動をとってしまう、
そしてその行動は繰り返される、そんな時「つい」をよく使います。
*例
(4)部屋が暖かいとつい眠くなる。

さらに、「つい」は、ある人が自分で本当はやろうとしていた事と違う行動を
何気なく してしまうという時にも使います。
*例
(5)彼女の料理はおいしいので、いつも つい食べ過ぎてしまう。 (6)医者からお酒をやめるように言われたのに
勧められるとつい飲んでしまう。

* (1)から(6)の「つい」と「うっかり」
は それぞれ置き換える事はできません。
なぜなら、それぞれの文には特有の意味
合いがあるからです。


「おもわず」というもう一つの類義語があります。
これも副詞です。これは ある人が ある事をきっかけに ある行動を自分の意志ではなく無意識的に
やってしまうというような時に使われます。この行動は条件反射のように 自分の意志でなく
そして瞬間的に起こります。
「おもわず」は 過去形で使われることが多いです。

*例
(7)彼はそのニュースを聞いて思わず泣き出した。

下の文を比べてみて下さい。
a)うっかり秘密をもらしてしまった。
つい秘密をもらしてしまった。
b)ついほほえんでしまう。
おもわずほほえんでしまう。
c)うっかりコップを落としてしまった。
思わずコップを落としてしまった。
これらの文は似た意味を持っています。でも、ニュアンスは少しずつ違います。
それぞれの文に条件文をつけてみると 違いがもっとはっきり分かります。

a') 誰にもいってはいけないといわれたのを 忘れてうっかり秘密をもらして
しまった。
a')話してはいけないと思っていたのに彼女がしつこく聞くので
つい 秘密をもらしてしまった。
b')赤ちゃんの顔を見るとついほほえんでしまう。
b')赤ちゃんの顔を見て思わず微笑んでしまった。
c')食器を洗っている時 うっかりコップを落としてしまった。
c')びっくりして思わずコップを落としてしまった。


では、テストをしてみましょう。「つい」「うっかり」「おもわず」を使って ( )をうめましょう。答えはそれぞれひとつずつであるとはかぎりません。
(1)パーティにはおいしいものがたくさんあったので ( ) 食べ過ぎてしまった。
(2)( ) 財布を忘れて買い物ができなかった。
(3)急に人が飛び出してきたので ( ) 声を上げた。
(4)財布にたくさんお金があると( ) 買いすぎてしまう。
(5)急いでいたので ( ) かぎをかけわすれた。
(6)悲しい映画を見て ( ) 涙が出てしまった。
(7)電話をするのを( ) つい忘れた。


答え:(1)つい (2)うっかり (3)おもわず (4)つい (5)うっかり、つい
(6)おもわず (7)うっかり、つい
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