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「こと」「の」「もの」A

先月は「こと」 と「 の」についてはなしました。今月は「もの」 と 「の」について
お話しようと思います。
「もの」の中のいくつかは、やはり「の」と置き換えることが出来ます。
(A)目に見えるもの、実質的なもの
1、物質、品物、人
a) 車は小さい もの/の が若い人に人気がある。
b) こんなに重い もの/の は一人で持てない。
c) この中から好きな もの/の を選んで下さい。
d) もっと安い もの/の を見せて下さい。
e) 若い もの/の を手伝いによこしましょう。
f) 彼はうちの会社のものではありません。
g) 私は銀行のものです。
h) こんなに暑くてはすぐものがくさる。
i) この溶液はたいていのものは溶かす。
j) あの店はいろいろなものを売っている。
k) 何か食べるものはありませんか。
l) 所有しているもの
これは あなたのもの/あなたの。(あなたのの とはいいません。)
テープレコーダーは A社のもの/A社の がいい。

*1「もの」は名詞の代わりに使われます。

a)からe)のように「もの」が修飾語で限定されていて具体的な事物を指す
場合は「の」で置き換えることができます。

*2 ものが述語に来る場合は「の」に置き換えることができません。

例)1)これは、イタリアで買ったものです。
2) これは、よそへあげるものだから、開けちゃだめよ。
これらを、もし、 「これは、イタリアで買ったのです。」
「これは、よそへあげるのだからあけちゃだめよ。」というと、
文の意味は少し違ってきます。この「の」は別の用法の「の」です。
これは、疑問やそれにたいする説明や情報を強調する時に使われる
文末の「の」です。会話では、普通、文末の形が「のだ」「のです」
ではなく「んだ」「んです」になることが多いです。
例)何かあったんですか。
彼は、本当にいい人なんです。
*3 ある文では「もの」を「の」に置き換えると意味が変わってしまいます。
1)おなかが痛い。昨日食べたものが悪かった。(食べた食べ物)
2)おなかが痛い。昨日食べたのが悪かった。(食べたという行為)
2)の「の」は文の前半をうけて名詞化する「の」で先月勉強した「こと」
の用法です。このように意味が変わるのは動詞で修飾されている場合に多いです。

(B)目に見えないもの

a) 目に見えないもの
ひとによってものの見方が違う。
時間ほど大切なものはない。
愛は大切なものだ。
最近の若者はものを知らない。
b)言葉
疲れてものも言えない。
ものはいいよう。
戦前は自由にものが言えなかった。
f)品質
このセーターはものがいい。
安いけどものが悪いね。

*4「〜というものは〜(もの)だ」は定義や説明の時に良く使われる文型です。

勇気という もの/の は、ライオンにとって一番大切なものだ。
>
ノートパソコンという もの/の は、なかなか便利なものだ。
愛という もの/の は、人間にとって最も大切なものだ。
銀河という もの/の は多くの星が集まりです。

(C)その他の表現(この用法の時は、「もの」は「の」に置き換えられません。)

1)ものだ/ものです
@ 一般論
a)やってみなければ分からないものだ。
b)年を取ると昔のことを良く思い出すものだ。
c)外国へ行くと国の食べ物が食べたくなるものだ。
A 常識
a)知っている人に会ったら、あいさつをするものだ。
b)人のお金を借りたら、できるだけ早く返すものだ。
B 回想
a)昔はこの辺に子供が遊べるところがたくさんあったものだ。
b)母は、私が子供の頃よくケーキを焼いてくれたものだ。
C 感動
a)時の経つのは早いものだ。
b)よくあんなに早く走れるものだ。
D 希望
a)みんなに合格してもらいたいものだ。
b)ぜひ彼に優勝して欲しいものだ。
c)彼女のことをもっと知りたいものだ。
2)〜ものか(もんか) 強い否定
a)あんなやつとは口をきくものか。
>
b)彼に負けるものか。
3) 〜ものか 迷い
a)行ったものか行かないものか迷っている。
b)どうしたものか、(迷っている)。
4) 〜もの(もん)だから、 〜もの(もん) 理由
a)父がこの店のケーキを好きなものだから買いに来たんです。
b)A:どうして宿題をしなかったの。
B:だって、ねむくてできなかったんだもの。
5) 〜動詞意向形+ものなら 仮定
a)彼に車を貸してもいいといおうものなら、すぐ借りに来る。
b)私がそんなことをしようものなら、みんなに白い目で見られる。
6) 〜ものを 残念な気持ち
a)はやく言ってくれれば、手伝ったものを。
b)打ちで夕飯を食べないと知っていたら、作らなかったものを。
7) 〜からというもの ある時からある状態が継続する
a)結婚してからというもの幸せな日々が続いている。
b)失敗してからというもの、彼は以前のようではない。
8) 〜ものの けれども
a)一人でやると言ったものの、自信がない。
b)ラブレターを書いたものの、出したものかどうか迷っている。

問題

1、入管という(こと の もの)は、入国管理局の(こと の もの)です。
2、困った時には助け合う。それが、友達という(こと の もの)でしょう。
3、今回の地震でたくさんの人が亡くなったという(こと の もの)だ。
4、もっと子供たちの(こと の もの)を考えてもらいたい(こと の もの)だ。
5、彼が来てからという(こと の もの)店には笑いが絶えない。
6、自分のした(こと の もの)に関しては、評価が甘くなってしまう(こと の もの)だ。
7、学生のころ、よくこの店にきた(こと の もの)だ。
8、地震がおきた時、一番始めにしなければならない(こと の もの)は、
ストーブやガスの火を消す(こと の もの)だ。
9、友情という(もの の こと)は、すばらしい(もの の こと)だ。
10、もう恋なんてする(もの の こと)か。

答え

1 の こと 2もの 3こと 4こと もの 5もの
6こと もの 7もの 8こと/の こと 9もの/の もの 10もの

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